流れ星スペシャル
何歳も年下であろう相手に、こーんなエラそーに言われてるのに、桂木さんは素直に従っている。
トレイと布巾を掴んで、長身の身体がわたしのすぐ横を擦り抜けていった。
う。わたしのことなんか、全然目に入ってないやん……。
「走るな。危ない」
即、怒声が飛んだ。
「まったく、あいつ。デカイから余計ジャマやねん」
ブツブツとつぶやく男の背中を、ぎろりと睨みつけておく。
やっぱ、こいつがトシやな……。
それからわたしはまたドリンクを作り、それを客席へと運び、また作り、運び、作り、運び…というのを何度も何度も繰り返した。
溜まっていたオーダーはやっと終わりが見えてくる。
梅酒ロックと芋焼酎のお湯割りを運んだ帰り、別のテーブルのお客さんから声がかかった。
「なぁ、ビールのお代わり言うてええ?」
お勤め帰りの会社員さん。
「あ、はい」
「生中5つね」
「はい、ありがとうございます!」