流れ星スペシャル
「そういう……純情なとこ、好きです」
心の底から、そう思った。
リカコさんとの恋に堕ちた桂木さんも、
傷つき、その愛を手放せなかった桂木さんも、
全部……好きだと感じる。
人を信じる素直な心も、
不器用な誠実さも、
全部、全部……。
その深い色の瞳から視線をそらし、フーと息をついた。
「そんなんだからダマされちゃうんですよ、桂木さんは」
「えっ?」
「酔いつぶれる桂木さんを、介抱しに来たんじゃなくて、押し倒しに来たんですからね、わたしは」
「はっ?」
ポカンとした彼の顔を、もう一度ちゃんと見つめる。
「力ずくにでも、彼女になりたかったんです。
わたし……桂木さんのことが好きです」
やっと、言えた……。
けれど、吐きだされたその想いに、桂木さんは困ってしまっているように見えた。
「オレは……、オレの中で沢井さんは……好きになってはいけない人です」
そうして彼が、やっと選んだ言葉はそれだった。