流れ星スペシャル


会社でも店でもなく、桂木さんの部屋でソファに肩を並べてふたりきり……。


い、今だよね?

想いを伝えるなら今だ……と思う。

こんな状況、きっともうない……から。


テレビのスイッチがまだついていなくて、部屋はホントに上映前の映画館のように暗かった。


「あ、あの……っ」


意を決して振り向くと、橙色の明かりが彼の横顔をほのかに照らしている。

広げた脚にひじを乗せ、桂木さんは少し前かがみに座っていた。

両手でゆるくリモコンを握ったまま。


「ありがとう」


わたしが話すより先に、桂木さんがそうつぶやいた。


「え?」

「沢井さんを映画に誘っておきながら、リカコに告白されてコロッと参ってしまって……。なんて軽薄な男なんやろうって、自分でつくづく思ってます」


リモコンに視線を落としたまま、ぽつぽつと彼は語りだす。


「そのうえ沢井さんにはオレ……、何度となく情けない姿をさらしてきたのに、いつも見捨てずにいてくれて……。今日もオレが酔いつぶれてると思って、来てくれたんやろ?」


そう言って顔をあげた桂木さんの、黒い瞳が真っすぐにわたしを見た。


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