流れ星スペシャル
「こんな不実なバツイチ男よりも、沢井さんには、もっとふさわしい男が、きっといるから」
「なに……それ?」
「たとえば、トシとか……」
そう言ったあと、桂木さんはとても気まずそうに目をそらした。
「あの……、わたし、ちゃんと桂木さんの気持ちで断ってほしい」
「え?」
「他の人を引き合いに出して言いわけしないで、本当の気持ちを聞かせてください。
タイプじゃないとか、そーゆー意味での『好き』にはなれないとか……。わたし、ちゃんと受け止めますから」
「沢井さん……」
「ずっとずっと心の奥にあった本当の気持ちを、やっと伝えることができたから……。
だからわたし、桂木さんの本当の気持ちを聞きたい。
ちゃんと振ってくれないと、ちゃんとあきらめられません。
望みがないなら、きちんと振って……っ」
そう言って小さく頭を下げた。
声が震えて、
涙が出そうで、
でも、キュッと口を結ぶ。