僕等はまだ恋を知らない
苦し紛れの反論に対して、たまらず大翔のため息がこぼれた。
その姿がなんだか心にグサリとくるものがある。
「怪我はないから安心した。次からは気をつけろよ?」
「う、うん………」
大翔のこういうところがとても好きだ。
困っていると、深く追求してこないでくれるところ。
人には超えて欲しくない自分だけの空間がある。
人によってそれは様々。
その境界線がわかる大翔はすごいと思う。
だから、何年経っても私たちは仲の良い幼なじみでいられるんだ。