許嫁な二人

 小学校の時もクラス一、美人だった。

 今はもっと綺麗になった。

 艶やか、、、というか、、、化粧がよく似合っている。



   「私は、桜下第二中を卒業してから、桜下南高校へいったの
    そこも今日卒業したけど。」



 綺麗な色で塗られた口がにっこりと笑みを形作る。



   「碓氷さんは、高校を卒業した後、地元にのこるんでしょ。」

   「ゆくゆくは家の仕事を手伝うので、、、。」

   「そうね、碓氷さんは、碓氷のお姫様ですもんね。」



 ”碓氷の姫”と久しぶりに言われたような気がする。

 高校では、そのことを言う人はいなかったから。



   「佐伯さんはどうするの?」



 唯の問いに、佐伯は再び口元を美しくもちあげて微笑むと



   「私は東京へいくの、透と一緒に。」



 と言った。
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