許嫁な二人

   「え、なあに?」

   「いや、何でもない。」



 あの小学6年生の自分に戻って、かげでコソコソ噂する奴らに言って
 やる。

 ”唯と俺は、許婚だ”と。


 そんなことを考えていたからか、神社について唯を背中から
 おろしたとき、何か大切なものが、また自分からはなれていってしまう
 ような気がして、透は唯に手をのばした。
 
 背中に手を回して、強くひきつける。



   「透くん。」



 突然のことに唯はあわてた、。

 何故、抱きしめられているかわからず、唯は透をよんだ。



   「唯、、、。」



 くぐもった声で透が何か言ったが、わからない。



   「え、なに?」



 唯の肩にふせていた顔をおこした透が唯の耳元に口をよせた。



   「一緒に、、、いたい。」



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