許嫁な二人

 良世がそんな風に思ってくれていたなんて、、、。

 唯がうれしくて、涙ぐんでしまいそうになったとき
 店の戸ががらと開いて



   「あ、いた、いた。」



 と元気な声がした。

 暖簾をおして入ってきたのは、諸井と透だった。

 ”どうして、、、”と二人をみながら絶句している唯に良世が
 はぁーとため息をつきながら言う。



   「私が今日、唯ちゃんと逢うって口をすべらしちゃってさ。
    そしたら諸井くんが俺もまぜろって、、。
    夏休みに唯ちゃんちに行く計画をたてたいからってさ。」

   「そうなんだよ。」



 笑顔いっぱいの顔でそう言いながら、諸井は唯のとなりに腰掛けた。

 その前に透が座る。



   「場所が甘味処だし、一人まざるのは恥ずかしかったからさ
    瀬戸を誘ったんだ。

    こいつ最初はいいって言ってたんだけど、1年の佐伯?だよな
    その子に一緒に帰ろうって言われて、俺と約束があるからなんて
    言っちゃってさ、
    それで、二人でこうしてやってきたわけ。」

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