許嫁な二人
「本当に良かったと思ってるよ。」
「本当?」
「本当だよ。」
「お前、碓氷さんに信用されてねーな。」
諸井がまぜっかえし、あははと4人の笑い声が響いた。
こっちからの方が家に近いからと途中で良世と諸井が
本屋の角を曲がっていき、透と唯は二人っきりになった。
「いいの?透くんだってあっちから行った方が
近いんじゃない?」
「いいよ、バス停まで送る。」
「でも、、、。」
「うるさいな、ちょうどバス停の方に用があるんだよ。」
今日はいつもと違って普通に話ができる、と唯は思った。
透と二人で下校するなんて、ほんとに久しぶりだ。
まるで昔に戻ったよう。
できればバス停までの道程が遠いといいのに、、、。