許嫁な二人
遅刻はしょっちゅうだし、教科に関係ない授業は
平気でさぼる、
今も、球技大会にむけての練習中だが、透の姿はなかった。
「瀬戸はあまりにも変わっちゃったからさ、碓氷さん
ショックを受けると思って言わなかったんだ。」
なぜ透のことを教えてくれなかったの?と問うた唯に諸井は
言ったが、その通りになった。
なぜ? なぜ変わっちゃったの?
唯は心の中で問うが、それを口にだして言うことはできなかった。
同じ教室の中にいても、透は唯に話しかけてこない。
目が合うことすらなかった。
中学1年の夏、再び結びかけた透との絆は、もう今は
ぷっつりと断たれてしまったのだ、、、と
唯はおもった。