ゼロの相棒
「魔力を全部だって?!魔力を移す時間が長いじゃないか。僕はゼロとそこまでは……」
その時、ゼロがジンの言葉の続きを制した。
すごい顔で睨んでいる。
“その先を言ったら殺す………。”
ぐらいの圧力を感じる。
私がゼロの態度の意味が分からなかったが深く追求して欲しくなさそうだったので、そのまま私の意見は水に流れた。
「あの勢いだと、三日後ぐらいにはこの町に着きそうだったぞ。
……どうする。」
ゼロが、ジンを見ながら尋ねた。
ジンは、「うーん…。」と腕組みをしながら答える。
「やっぱり、俺たちの魔力でどうにかするしかないだろうな。
……集まった魔獣を一気に倒そう。」
私は、星の町に来る前に、低級の魔族狩りの奴らが、五匹ほどの魔獣に殺されるのを見た。
三十匹なんて、想像がつかない。
ゼロは、ふぅ…、と大きなため息をついて頷いた。