ゼロの相棒
ゼロは、表情を変えずに、「……どんな作戦なんだ?」と言った。
ジンは、にっ、と笑って私たちに説明する
「まず、町から少し離れたところで、僕とゼロが待機して魔獣を待ち伏せする。
魔獣がそこへやって来たら、僕がゼロの浮遊魔法を模倣して飛びながら、最果ての丘まで誘導するんだ。」
私たちは黙ってジンの話を聞いている。
「最果ての丘に近づけば、魔獣たちの魔力の反応して、共鳴したナイトメアによって地響きが起きるだろう。
……ただ、そのレベルが魔獣たちの魔力に刺激されているから、今までよりも格段に大きいと思う。」
ジンの言葉に、私は動揺した。
前の地震の時でも、ドロシーは力を使い果たして倒れてしまった。
それよりも大きいとなると、収められないかもしれない。
「だから、ドロシーは、地響き少しの間だけ“止める”んだ。
その間に、僕たちが魔獣よりも先に丘に到着して、最後はゼロが魔法陣か何かで魔獣を一気に仕留める。」
ジンは、「………っていうのはどうかな?」と、首を傾げながら、ゼロに尋ねる。