ゼロの相棒
急に、群れの先頭だった魔獣が、
ぴたり。と停止した。
他の魔獣達も、つられて動きを止める。
「な…何?どうしたの?」
私は驚きのあまり、口から自然と言葉が漏れた。
丘に到着していたゼロ達も、何が起こったのか分からない様子で魔獣達を見ている。
すると、ドロシーが急に背後を振り向いて塔の反対側へと目を向けた。
そこには、町の広場
と
黒いマントの男の姿が見えた。
「!あれは……!」
ドロシーが叫ぶと同時に、黒いマントの男は、空に向かって片手を突き出した。
ウォォオォォオン!!
魔獣達の雄叫びが周囲へと響いた。
私が声の方を見ると、さっきまで丘へと向かっていたはずの魔獣達が、町に向かってものすごい速さで突進している。