Time Paradox
四人は極秘の話し合いが終わると、夕方からのパーティーの準備が始まった。


そしてリリアーナは、母から貰った黄色いドレスを手に悩んでいた。

「そのドレスは…!今夜もそちらになさるのですね?」

アビーはぼんやり悩むリリアーナの手から、キラキラとした黄色いドレスを受け取る。


"しかし、あの女を見ていると思い出すのでは?"

"...あぁ。この先何があっても許せないだろう、絶対に。"


リリアーナはふと、マーカスとルイスのその言葉を思い出し、慌てて別のドレスを差し出した。

「…あら、結局こちらになさるのですね?」

アビーは今度こそ淡いライムグリーンのドレスを受け取り、微笑んだ。

というのも、その黄色いドレスはリリアーナがあの頃によく着ていたものなので、マーカスの殺意がまた再燃する事を恐れたのだ。



そんなこんなでリリアーナのドレスアップが終わると、いよいよパーティーが始まる時間となった。


ドアをノックする音が聞こえて振り返ると、アドルフが顔を出した。

「ハンナ様、お時間です。」

「今行くわ。」

リリアーナがドレッサー前の椅子から立ち上がると、アビーにお礼を言い、アドルフの手を取った。
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