Time Paradox
二人の様子を見たランスは、すかさず話を振った。

「そういえば、ハンナ様は体調不良で戻られたようですが…」

「え?あぁ、ハンナ様なら先ほど部屋に戻られて休んでおられます。…寒くなってきたので体調を崩してしまったようですが、きっと明日には治っているはずですよ。」

アドルフはとっさにその場をしのいだが、彼の動揺はランスにも見て取れた。

「そうですか…早く良くなるといいのですが。」

すると、ちょうど執事らしき男がアドルフに耳打ちをし、その場を立ち去った。


「皆様、そろそろパーティーも終了の時刻となりました。今日はお集まりいただきありがとうございました。それでは、僕はこれで…。」

アドルフはその場にいた8人にそう言って軽く頭を下げると、急いでその場を後にした。
< 183 / 229 >

この作品をシェア

pagetop