Time Paradox
「やりましたよ!リリアーナ様、ジャック様!」

アドルフは小声で喜びを露わにする。

「ありがとう、アドルフ!これで生きていられるわ!」

「ありがとうございます、アドルフ王子。あのままいったら殺される所でした!」

リリアーナはジャックの方を見ると、彼女の視線に気が付いたのか笑顔でこう言った。

「あぁ、心配するな。約束通りやれる事をやるよ。それから例の本も取りに行く事にするよ。」

「ありがとう、ジャック!あなたには本当に…お世話になったわ!」

「今週の金曜日にアーノルド家へ訪問する予定があるのですが、その時にジャック様もそちらにいらしたらお会いする事ができるかと…。」

「本当⁉︎じゃあその時にはあの本を確認できるわね!」

「あぁ。あそこから森は近いし、もしかしたら絵本を参考に、あの魔法が使えるかもしれない!」

アドルフが盛り上がる2人の会話に首を傾げていると、リリアーナはアドルフに「後で話すわね。」とだけ言った。
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