無邪気な姫と気だるげな騎士
「ラディーくん、確かキミの家は騎士一家だね?」
「…はい。」
父さんも母さんも騎士でその間に生まれた俺。
剣もそれなりに強くて、騎士としての才能があると言われ続けていた。
でも俺は、そんなあれこれ構わず剣を振り回し、敵を倒していく親よりも、
それを隠していつの日か、大切な人を守れるような騎士になりたいと思った。
だからまずは、怪物とか無関係なこのお屋敷に入ると決めた。
このお屋敷には不思議な力があり、怪物たちはここの門の中には入ってこれないのだ。
結界があるとやらなんとか。
そこで普通の人間として暮らしたいと思った。
……まぁ、ここで大切な人を見つけるなんて思わなかったけど。