無邪気な姫と気だるげな騎士
「好きだ。」
姫様にそう呟いても、もうそれは届かなくて。
「ずっと、好きだったんだ…!」
何度言ってもかなわない。
「だから…ごめん。」
俺は最低な男だと思う。
「……ん…」
我慢できないんだ。姫様を前にすると。
これ以上にないってくらい、深いキスをする。
息ができないくらいに深く。
長く、深くキスをすると意識が朦朧としてくるそりゃそうだ。
ずっと酸素を吸えてないんだから。
そっと離れて息を整えていると、
「ん…れ、いん?」
ボソリと可愛らしい声が聞こえた。