鬼部長の素顔




「……優子」


呼ばれて、ハッとした
アパートに着いたのに降りない私
なんか、離れたくないみたいじゃん…


いきなり私の頬に触れた手
クイッと向けられた先の瞳に囚われた


あ………、この表情、好きだな
なんて思っていたら、唇が重なった


今日、何度もキスをした
何度しても、またして欲しくなる


「優子は……可愛い」
「これ以上したら、帰したくなくなる。」


そう言って、最後にまたキスをする



チュッ


「おやすみ」


『はい…おやすみなさい』


私だってそうだった
帰りたくないって思ったから……


部長は私が部屋に入るまで
見ていてくれた

部屋に入る前、部長を見ると
ハンドルに腕を乗せ、顎を乗せて見ていた


手を振る仕草に、愛おしい
私も恥ずかしいけど
小さく手を振り、部屋に入った


そのあと、車が去っていく音に
少し寂しさがこみ上げてくる


自分の唇を確認するように指で触れた
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