鬼部長の素顔




「ああ、また言ってたぞ?鬼って。………なぁ、優子?そんなに俺の事嫌いか?」


なに……イキナリ。
嫌い?……ううん、その逆。好き


あーっ!!だめ、その言葉。
出すだけで恥ずかしい……


『……違っ、……えっと…』



チュッ


違うと言いたかった
誤解されてるのは嫌だった

けど、それを言わせてくれない部長



『んっ。もぅ、キスしないでください』


「ん?俺は優子とキスがしたい」


『は?今したじゃないですか!?何度も私はできませんっ』


「なんで?……俺とするの嫌?」


うっ……、
なんで、そう聞くの?
それ、本当に反則だよ…

身体を滑らすように指が触れる
なぜかシャツ一枚
だから、余計に触れられると…やばい



『やっ…。だから、触らな……っん。』


「嫌?……ならやめる?」



なっ……
完全に部長は私のことをからかってる

もーっ!鬼っっ!!




チュッ


『……キス魔ですか?』


「いや、優子がしてほしいって」


『いっ、言ってませんっ!』


どんなに口で言っても
身体は正直なんだと思った


私に触れる部長の手
もっと触れてほしいと願ってしまう


「嫌なら嫌って言えよ」


……いえない、
言えるわけないよ、

部長のシャツをぎゅっと握る
それでなんとか耐えてられた
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