鬼部長の素顔



何やってんだろ……私。



「ちゃんと育ってる……安心しろ」


後ろから抱きしめてくれる部長
私たちは、もうベットの中


なかなか眠れない私
幸せすぎて、けど自分のダメさ加減に
本当にイライラしちゃう


『こんなんじゃ、ダメですね……』


「んー?、いいんじゃねぇの?人間、忘れることだってあるだろ?」
「……俺だってあるよ。それくらい」


部長が?……いやいや、ないない。
部長が嘘ついてることくらいわかる。


「嘘だと思ってんだろ。……今日だって、ケーキ忘れてたんだ。白井が言ってくれなきゃ忘れてた。誕生日はケーキがなきゃ始まらねぇのにな」


……本当に?
少し驚いて私は部長の方へと向き直す
部長は私のおでこに自分のおでこを
コツンとぶつけて


「二人で確認していこう」


部長はいつも優しい……
仕事ではすっごい厳しいのに……


『うん。……ありがとう』


私達は抱き合って眠りについた
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