鬼部長の素顔



『それについては……ごめんなさい』


そう言うと、部長は
元は俺が悪いからっと、


「今だって、これからだって……俺は優子と一緒にいたい。今まで確かになんでも自分で決めてきた。……優子に言われるまで気が付かなかった、すまん」


部長は、あたりが真っ暗、まだまだかかるであろう道路脇にある
奥まった駐車スペースに車を入れた



車を停車させ、私の方を見た


「これからは……ちゃんと話す。思ったことは、結論が出てなくても話す。だから……だから、何も言わずいなくなるのはやめてくれ……」


そう言って、私を抱きしめる
私の肩に顔を埋める部長
少し震えてるようだった



『……大丈夫ですよ?』



「……うん、」



『北海道は梅雨もないし、蒸し暑くもない。過ごしやすいですよ?』



「……そうか?」



『冬は寒いですが、慣れます』


「ん……」



『子供が大きくなれば、雪で遊んでくださいね?』



「ああ、もちろんだ」



『あっちなら、マンションより一軒家の方がいいですよ』




そう言うと返事はなく
その代わり……なんだろうか
ぎょっと、私を抱き冷める力が
強くなった気がした
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