鬼部長の素顔
唇を何度も重ねていたら
ドンっ…
部長の動きが止まった
『部長?』
「……優子……蹴った?」
部長は初めて
お腹の子の胎動を感じた
だからか、かなり驚いている
『男の子かな?パパにヤキモチ妬いてるのかもしれない。あ、けど女の子かも、他の女に触らないでって……ふふふっ』
なんだそれ、と
お腹にキスを落とす部長
出てきたお腹
当分できないだろうと再認識
『隼人さん……早く…』
そう思ったら、寂しくなっちゃった
ゆっくり私の元へ戻ってきてくれる
そしてまた、キスをねだる
何度しても、心地いい
部長がキス魔だと思っていたけど
うつったのかな?
私もキス魔なのかもしれない
「優子っ……愛してる」
私も……って言いたかった
けど、言えない。
部長の意地悪……
ほら、わかってやってるんだ
口元が上がってますよ?
どうにかやり返そうと思ったけど
そんなことが出来る体力すらない
だから、抱きしめられた一瞬
ようやく、愛してると言えた