ルルー工房の月曜の午後
「何かしかけようと思って、工房にお邪魔しました。ルルー工房の人たちにそんなことしたくなかったけど、俺はやっぱレイエの人間で。
妬む気持ちがぜんぜんなかったわけじゃなかった。だからひびに気づいも、それを教えませんでした。
あれくらいのひびなら普通、そんなにすぐには壊れない。教会の天井画ができるまでは保つだろうから、俺が傷をつけたことにしようと思いました。
天井画が完成した後に、それとなく教えるつもりでした」
ごめんなさい、と、ルイはもう一度頭を下げた。
ふいに泣きそうになって、ベルは慌ててうつむいた。
――だって、ルイを責める気にはどうしてもなれないのだ。
ルルー工房のみんなが好きで、けれど身内であるレイエ工房のみんなに嫌われたくなくて。
はしごを傷つけたことにして、天井画が完成した後に教えるつもりだったのはきっと本当だ。
レイエ工房のみんなには、「傷はつけたけど、あんまり意味がなかったね」って、笑い話にして終わらせるつもりだったのだろう。