不器用な恋

「……また、明日」

少し小さな声で言うと

真っ赤にしてにこりと笑う杏里。

私、貴女の友達になってもいいのかな。

振り返り今度こそ家に向かおうとしたとき

「る、瑠樹!また明日な」

と、手を振る彼。

「ぅん……明日ね。杏里と慎君」

どうして、あなた達はそんなにも

眩しくて輝いて見えるのだろうか。

ねぇ、どうして

暗い闇の中の私を

見つけてくれたのだろうか。

彼の笑顔が

彼女の笑顔が

私は今日

好きになった。








< 14 / 28 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop