不器用な恋
「……また、明日」
少し小さな声で言うと
真っ赤にしてにこりと笑う杏里。
私、貴女の友達になってもいいのかな。
振り返り今度こそ家に向かおうとしたとき
「る、瑠樹!また明日な」
と、手を振る彼。
「ぅん……明日ね。杏里と慎君」
どうして、あなた達はそんなにも
眩しくて輝いて見えるのだろうか。
ねぇ、どうして
暗い闇の中の私を
見つけてくれたのだろうか。
彼の笑顔が
彼女の笑顔が
私は今日
好きになった。