強引なカレの甘い束縛
陽太の席の周りに次第に人が増えていく。
気のせいだろうか、その人たちがみな、ちらちらと私に視線を向ける。
そして、その視線は私を見たかと思うと陽太のスマホに戻り、そしてまた私に戻る。
誰もが抑えた笑いを口もとに浮かべている。
十人ほどの人たちに何度もそんなことをされると、さすがに気になりじっと見ていた。
陽太は一向に私の視線に気づかず、スマホを操作しては周りに見せている。
写真でも見せているのだろうか、それとも、面白い情報でもあるのだろうか。
すると、たまたま陽太の席の後ろを通りかかった大原部長が陽太の手元を見ながら声をあげた。
「痩せの大食いって、萩尾さんのことだな。この間のバーベキューで焼き肉を目いっぱい食べて、そのあとフルーツタルトをホールで一気食いなんて、普通無理だろう」
体を前に傾け、笑いをこらえるようにそう言った大原部長の言葉に、部内は一瞬静かになった。
けれど、一瞬あとにはあちらこちらから笑い声やらからかいの声が聞こえてきた。
それはすべて私に向けられたものだ。