強引なカレの甘い束縛
「ルイルイのフルーツタルトはおじさんの僕でも知ってるくらいうまいけど。これって直径二十六センチの一番大きなサイズだろ? 別腹とはよく聞くけど、萩尾さん、すごいね」
「な……、何を言って……」
大原部長の言葉に、「すごい」だとか「食べ過ぎだろ?」だとか「そんなに食べても太らないなんてうらやましい」なんて声があちらこちらから聞こえてくる。
慌てて周囲を見回せば、私を見ながらくすくす笑っている顔だらけで。
陽太でさえそれを止めることはなく。
「あ、でも俺、頼み込んでひと口だけもらいましたよ。七瀬はよっぽどこれが好きみたいで、それ以上はくれなかったんですけどねー」
なんてことを言いながらケラケラ笑っている。
一体、陽太のスマートフォンにはどんな写真が写っているのだろう。
私は素早く陽太の席へ行くとその腕を掴み、スマホの画面を確認した。
「何これ、一体いつ撮ったの?」
「ん? いつって、週末。七瀬の家で」
「え? そんなの気づかなかった」
「食べるのに一生懸命で、俺がスマホを構えたのにも、シャッター音が響いたのにも気づいてなかったぞ」
「そんなあ」