強引なカレの甘い束縛


それは入社して初めてのクリスマスを間近に控えた土曜日の朝。

陽太と私を無理矢理帰すこともせず、ひと晩付き合ってくれた輝さんは、だしが効いた卵雑炊を作ってくれた。

おいしそうな湯気をあげる土鍋を陽太とふたりで囲み、その温かさのおかげで体がすっとラクになった。

『人気のバーで雑炊なんて、贅沢だね』

『ああ。輝さんが料理上手なのは知ってたけど、この雑炊も絶品。おかわりちょうだい』

『はいはい。あ、このネギをたっぷり入れるとおいしいよ』

陽太のお茶碗におかわりをよそい、たっぷりのネギが盛られた小鉢を陽太の手元に置いた。

そのほかにも、きざみのりや梅干しがテーブルに並んでいて、輝さんの優しさを感じた。

『雑炊って、実家にいた頃に食べた以来かもしれないな。懐かしくて何度でも食べたくなる。俺って相当弱ってるよな』

『そうだね。弱りきってる陽太もなかなかだけど、いつもみたいに強気なことを言いながら笑ってる陽太はもっと格好いいよ』

静かな声でぽつりぽつりと話している陽太が痛々しくて、思わず「格好いい」と口にしてしまった。



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