強引なカレの甘い束縛


彼女が口にしたことはすべてその通りで驚いた。

部長によっては自分のことはすべて自分で段取りをととのえる人もいるけれど、大原部長に限ってはそれは当てはまらないのだ。

日々の雑用のすべては私が請け負っている。

といっても、そうしてサポートしなければ、膨大な量の仕事が滞ってしまうから仕方がない。

そのことに不満があるわけでもない私は大原部長のお世話を楽しんでいる。

それにしても、大原部長と奥様との間にはかなりの会話があるようだ。

そうでなければここまで詳しく知っているはずがない。

苦味の強いお茶を私が淹れているなんて想像するわけもないし、二日酔いの薬のことまで知っているなんてすごい。

「えー、たしかに私がすべて手配してるんですけど、それが私の仕事なので」

「だめよ。そうやって甘やかすのはよくない。もしも萩尾さんが突然会社を辞めたり、そうでなくても長期のお休みのときとか、自分でなんでもできるようにしつけなきゃ。あの人のためでもあるんだから」

「はあ……」



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