強引なカレの甘い束縛
その日、出張で会社に戻らない陽太に心で文句を言いながら家に帰った。
ここまで大げさな講座だなんて聞いないぞ、勝手に申し込んじゃってどうしてくれるんだとぶつぶつ言いながら夕飯を作る。
週末まとめて作って冷凍しておいたハンバーグをトマトソースで煮込みながら、まるで毒入りスープでも作っているかのように睨みながらお玉を突っ込んでかき混ぜていた。
そうしているうちに心は次第に落ち着きを取り戻し、食べ物に罪はないと、最後の仕上げに心を込めて塩コショウを振った。
「さ、食べよう食べよう」
いそいそとテーブルにサラダやお味噌汁を並べていると、リビングに置いていたスマートフォンが鳴った。
「あ、姉さんだ」
姉さんが好きなクラシックのメロディーに、私は慌てて出た。
「姉さん? 久しぶりだね、元気?」
『うん、私も忍も、もちろん公香も唯香も元気だよ。あ、唯香の首はちゃんと座ったから、もうびくびくしながら抱っこしなくても大丈夫』
「あはは、そうなんだ。でもやっぱり赤ちゃんを抱っこするのはまだ怖いかも」
『そんなこと言ってたら、将来七瀬が赤ちゃんを産んだときに困るわよ。ぼちぼち唯香で慣れておいたら?』
「そ、そんな、自分の赤ちゃんなんて。私にはそんなまだまだ」
私は焦って、普段よりも高い声で答えた。
姉さんはそれに気づいたのか、ふと黙り、探るように問いかけてくる。