強引なカレの甘い束縛
『もしかして、陽太くんと何かあったの? 七瀬がそんなに慌てるなんて珍しいね』
「えっと、ううん、別に何も。陽太も私も毎日仕事で忙しいし。あ、陽太が公香と唯香にまた会いたいって言ってたよ」
まさか姉さんの口から陽太の名前が出るとは思わず、自分でも驚くほどの早口でそう言った。
いつものことだとはいえ、姉さんの鋭さには驚いてしまう。
『ふたりとも、男性を惹きつけちゃうのね。さすがわが娘。将来が楽しみね』
ふふっと笑う声につられて、私も口もとが緩んだ。
「陽太があんなに子ども好きなんて知らなかったから、私も驚いてるけどね。まさか公香の幼稚園の運動会に顔を出して親子競技にまで参加するなんて、普通しないでしょ」
呆れた口調でそう言うと、姉さんはさらに明るい声をあげる。
『だけど、忍が仕事で来られなかったから、助かったのよ。私は足が弱点だから、走るのも遅いし。これからも毎年来てくれると助かる。……あ、今思ったんだけど、陽太君はたしかに子ども好きみたいだけど、唯香は私や忍よりも七瀬に似てるから、だからあれほど可愛がってくれるんじゃない? 唯香のまん丸おめめは七瀬のおめめにそっくりだもん』
「そ、そっくりなんて、まあたしかに似ていてうれしいけど、別にそれが理由じゃないだろうし」