強引なカレの甘い束縛


史郁さんは自分の気持ちを露わに見せないクールな人かと思ったけれど、そうではないらしい。

輝さんしか目に入らないその瞳はハートの形をしているようでキラキラしていた。

「輝さん、ほんとに史郁さんのことが大切でたまらないって感じだったね。あれだけ格好いいんだから女性なんてよりどりみどりなのに、今まで浮いた話を聞かなかったのは史郁さんに会うためだったのかな」

もしそうだったら、かなりロマンティック。

なんて思いながら、私は自分の言葉に納得するように何度か頷いた。

それなりに年齢差もあるふたりだけど、きっとうまくいくだろうなと、にやりと口もとを緩ませていると、隣りを歩いていた陽太が突然立ち止まり、私は思わずバランスを崩してよろけてしまった。

「な、何? どうしたの。忘れ物でもした?」

体勢を整えて陽太を見れば、その顔は何故か不機嫌な気持ちを隠そうともせず、眉間に深い皺まであった。

驚いて後ずさると、その途端、私の手は陽太の手に掴まれた。



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