強引なカレの甘い束縛


「あ、萩尾さんもとうとう陥落したのね。陽太くんの焦りが実を結んでよかった」

「陥落……」

「五年だもんね。いい加減、外野の私たちも面倒になってくるくらい、ぐずぐずしていたもんね。よかったねー」

砂川さんは、私と陽太の前に来ると、クーラーボックスを足元に置き、大きく息を吐いた。

「あー、疲れた。大きな家はいいけど、車を置いてからが遠いのよね」

体をほぐすように動かして、彼女は大原部長を軽く睨んだ。

そんな視線から逃げるように、大原部長は近くにあったトングを手に取り、意味なく炭を動かしている。
  
すると、炭番長とも言える篠山君が「やめてください」と言ってトングをその手から取り上げた。

会社で見慣れた大原部長の威厳も何もないそのやり取りに思わず笑ってしまう。

さすがの大原部長も、砂川さんには敵わないらしい。

たしかに、陽太が召集された銀行のシステム移行のプロジェクトのリーダーとしての手腕を発揮している砂川さんには誰もが一目置いている。



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