強引なカレの甘い束縛


まだ入社三年目の岡崎さんのことを、佐山さんは捕まえたんだ。

今年勤続十年だと言っていたから、その年齢差は七歳。

ふたりが付き合っているのはどうも間違いないらしい。

それにしても。

「佐山さん、若い女の子を捕まえて顔が緩んでますよ」

え? 私が今言おうとしていたことを言ったのは誰だ? 女性の声だったけど。

いつの間にか私の肩を抱いている陽太をはっと見上げると、陽太は目を細めて笑った。

そして顎で示した先を見れば、肩に大きなクーラーボックスをかけた女性がこちらに向かって歩いていた。

「砂川さんだ。わー、かわいい」

颯爽と歩いているのは砂川夢さん。

内面は姿に出るというけれど、それほど長身ではないのに大きく見えるのはきっと、彼女が持つ強さとエネルギーによるものだ。

いずれは女性として初めての部長に就くのではないかと言われている仕事の鬼、いえ、美人さんが、細身のジーンズと白いスニーカーというラフな姿を見せている。

薄いグリーンのパーカーを羽織っている彼女はとても可愛くて、仕事中の鋭さを感じさせないその姿に見惚れてしまう。




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