強引なカレの甘い束縛
私が曖昧に口をはさむのを許さないものを感じた。
「お姉さんは、七瀬を放り出してひとり暮らしを始めた自分を後悔してるし、もう二度と七瀬から目を離さないって誓ってるんだ。それは、七瀬には自分がいなきゃだめになる。七瀬には自分しかいないという思い込みによるものだけどさ」
「思い込み……」
「そう。さすが姉妹だな。思い込みと一方的な思考回路は似すぎてどうしようもない」
くくっと笑った陽太の胸が震えている。
それほどおかしなことだろうかと、私はほんの少し不機嫌になる。
私を大切に想ってくれる姉さんのことをそんなに笑わなくてもいいのに。
「あ? 怒ったか? 悪い悪い。だけど、当事者にしてみれば深刻なことも、周りからみれば大したことじゃないんだ。よくある話」
「だけど、姉さんは、私を心配して、それに、そのせいで足を怪我してしまったし」
ぽつりぽつりと口にする私の言葉に、陽太は大きく首を横に振った。
「お姉さんの心配の仕方は度を越してる。七瀬をこの家に閉じ込めて、自分の存在の大きさを押し付けてるし、足の怪我だって、お姉さんが転んだのが原因。きっかけはどうであれ、七瀬がそこまで気に病むことはない」
強く、はっきりと言い切った陽太に気圧されるように、私は口を閉じた。
「七瀬にとってお姉さんは大切な家族だし、気遣ったり側にいたいと思うのは当然だけど、お姉さんにとって七瀬は過去を悔やむ象徴で、絶対に幸せにしなければならない……枷のようなものだ」
「え……悔やむ象徴? 枷……」
陽太の言葉がすぐには理解できない。