強引なカレの甘い束縛
陽太も何度か一緒に来て、唯香ちゃんの可愛さにメロメロになっている。
「その飲み会のときに、たまたま小野さんたちがとなりに座ったんだけどさ、経理部の女の子たちから山内さんとのことをひやかされて結構大変そうだったんだ」
「ふーん」
「山内さんは、異動が現実味を帯びてきたこともあって、付き合っていることを少しずつオープンにし始めたらしくて、小野さんも経理部の女の子にその場で白状してた」
「へえ」
「あのときの女の子たちの盛り上がりはすごかった。山内さんのことは女の子の間でも人気があったからわかるけどさ。小野さんとは高校時代からだって聞かされて、一途な山内さんの株はまさに右肩上がりのストップ高。俺もびっくりしたけどさ」
「あーそうなんだ」
「ん? なにその不機嫌な声。まさか、七瀬も山内さん狙いだったとか」
陽太は私の肩を掴むと、ぐいっと私との視線を合わせた。
「俺こそ、そんなこと聞いてないけど?」
「は?」
「七瀬が山内さんのことを気に入ってるなんて聞いてない」
口をとがらせ、拗ねた口調で私を責める陽太は子供のようだ。
歪んだ口元からは今にも私を責めたてる言葉が飛び出してきそうだし。