強引なカレの甘い束縛


「小野さんが高校生のとき、バイト先でふたりは知り合って、付き合い始めたらしいぞ。もう八年になる熟年カップル」

「えー、八年って、すごいね。もしかしたら、小野さんは山内さんを追いかけてうちに入社したの?」

「そう。山内さんと違ってシステムエンジニアになる才能はないからって諦めて、事務職採用を狙って採用試験を受けたって、こないだの飲み会で言ってたな」

思い出すような声に、ふと視線を向ける。

「飲み会? 小野さんと飲んだの? 聞いてないよ」

「あ、ああ。たまたま経理部の課長とエレベーターで会ったときに飲み会があるからって誘われたんだ。その日七瀬はお姉さんの家に行くから会社も休んでたし、暇だから参加した」

「あ、あの日……」

出産してすぐの姉の手伝いのために会社を休んだあの日だ。

私は生まれたばかりのかわいい姪っ子を相手に幸せなひとときを過ごしていた。

唯一の家族である姉の家を訪ねる機会は多いけれど、姪っ子の唯香ちゃんが生まれてからは、かなりの頻度で通っている。



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