強引なカレの甘い束縛
「七瀬がここまでこのバーベキューの意味を知らなかったのは誤算だったけど、逆にそのおかげで簡単にここに連れて来ることができたんだな」
「は? そのおかげって一体どういうこと? それに、バーベキューの意味って」
私を見つめる陽太と山内さんを交互に見る。
きっと、今の私は訳が分からなくて混乱しているおかしな顔をしているに違いない。
こんなときでもその見た目の良さが際立つ山内さんに見せられる顔だとも思えない、なんてつまらないことも考えつつ。
「今日の陽太って、やっぱりおかしいよ。どうしたの? 私をバーベキューに連れて来たかったなら、初めからそう言ってくれればいいのに。断る理由もないんだから、来るに決まってるでしょ」
自分の車が車検中で使えないだとか言って私をここに連れて来るなんて、よっぽどこのバーベキューは楽しいと社内では評判なのだろうか?
たしかに楽しいしたっぷりすぎるお肉が網の上でジュージュー音をたてながらおいしそうなにおいを広げているけれど。
何度か楽しんだことがあるよくあるバーベキューと変わらないし、社内のメンバーばかりが集まっていれば少なからず気も遣うし。
正直なところ、なにがなんでも参加したいものではないと思うんだけど。
嘘をついてまで私をここに連れて来てくれた真意がわからない。