ひみつの琴子さん【修正 & side story完結】
そっか…とつぶやき、藤枝さんは、私の涙が止まるまで横に立っていてくれた。


「こっちへ来て」

タクシーを止めた藤枝さんに、後部座席へ押し込まれた。


タクシーは、大阪駅方面へ走り出した。


強制送還か…

そうだよね。仕事で来てるんだし…


大阪駅に着いたようで、タクシーを降りると、ザ・Rホテルのエントランスだった。

戸惑う私に、藤枝さんは、

「疲れたでしょう。今日はここで休んで。
明日は何か予定ある?」

「予定は…ありません」

チェックインの手続きをサッと済ませ、

「じゃあ、起きたら連絡して?必要な物があれは、フロントに連絡してくれればいい。だいだいの物は揃うから」

呆然とする私を部屋に押し込み、「おやすみ」と言ってスタスタと去って行ってしまった。




< 319 / 378 >

この作品をシェア

pagetop