ひみつの琴子さん【修正 & side story完結】
シンとした静寂が、私と藤枝さんを包む。

「藤枝さん、ありがとうございました」


拓海が投げた鍵を拾おうと、手を伸ばすも、震えて上手くつかむことが出来ない。

代わりに、藤枝さんが拾ってくれた。


「あの彼が、河田さんを悩ませてる原因?」


「……はい。変なとこ目せてしまって、ごめんなさい」

目を伏せる。拓海のこと…藤枝さんには、知られたくなかった。

「…彼のこと、好きなの?」

へっ?何言ってるの…

「彼のことが、忘れられない?」

拾った鍵を私の手のひらに落とす。



















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