ひみつの琴子さん【修正 & side story完結】
「痛いデス」

えっ?と藤枝さんが腕を緩め、不安そうに私を見つめる。

「腕が…」

ハッと気付く藤枝さん。

「わっ!ごめん。いつまでも…」

焦ったように、私が離れる。


廊下に二人でぺたりと座り、倒れた脚立をぼんやりと見る。


「アイ…、無茶なことしないで。
もっと人に頼って」

「……」

それは、平川 琴子に言われてるような気がした。


よいしょ…と藤枝さんが立ち上がり、
倒れた脚立を起こしてくれる。

「ありがとう」

ぺこりと頭を下げる。

ポンポン…

えっ…私の頭を軽くなでてる?


ふわり…


あれ?この匂い…知ってる。
懐かしい匂いに包まれた。


このフワフワと温かい感じ…



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