ひみつの琴子さん【修正 & side story完結】
私が感じたのは痛みではなく…

「ふ、藤枝さん!」

私を抱き締める藤枝さんがいた。

ていうか、私、藤枝さんの上に乗っかってる!

うわーーーっ!

「ご、ご、ごめんなさい!」

すぐに藤枝さんの上から退こうとするも力強い腕で、抱きしめられたまま動けない。

「あの…?」

私の下にある藤枝さんの顔を覗き見る。

「アイ…良かった。間に合った」

少しかすれた声でつぶやく。


ドキッ


あ…そうだ。私は木下 愛だった。

「タカ?ありがと?」

藤枝さんが助けてくれたんだよね?


ぎゅうぅぅ


えっ…


私、藤枝さんに抱きしめられてる?

「どこか痛い所はない?」

「……」

心配そうに藤枝さんが私の瞳を見つめる。

トックン…、トックン…


なんか…落ち着くなぁ。
どこか懐かしい匂いがする…なんだろ?


トックン…、トックン…



< 74 / 378 >

この作品をシェア

pagetop