同居ノススメ

そんな胸の内を
知る由もない高木の声が耳に
入ってくる。

「あの・・・
そのお弁当って・・」

「だから、なんだよ、
フアフアしてんな、早く言え」

「あっ!!あの!!

彼女の手作りですか?」

慎太郎は、

『彼女』というキーワードに
敏感に反応してしまい、
目を丸くしたまま
高木の顔を見つめ、
口の動きが止まった。

慎太郎は
ようやく口の中のものを飲み込むと

「あっ・・まぁな。
そうなる予定の人、な」

と、ぶっきらぼうに答えると

聞いた高木が顔を赤くして

「そっ・・そうなんっすね!?
いや、いいっすねーその時期って。

相手が好きなのか、
どうなのか探ってる時期って
いいっすねー」

と聞いてきた本人が
ポーッとしてしまった。
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