同居ノススメ
あんなに凛々しかった桃を
泣かせてしまった俺の言葉・・・。
体調が悪い相手に対して、
いきなり核心的なとこに
踏み込んで、
心を崩れさせてしまったと、
クルマで
自宅へと向かう慎太郎は少し反省する。
自宅はもともと寝に帰るだけの
場所だったため
荷物はほとんどが洋服や下着、
靴ばかりで、家具や電化製品も
最低限の我が家。
1時間半ほどして家につき
さっそく荷物をまとめる。
おっきなバック数個に分けて
洋服を詰め込み、
後日、自宅に残った電化製品などは
リサイクル業者に
引き取ってもらおうと決め、
不動産屋に連絡も入れ、
部屋の解約も済ませる手はずを整えた。
ここまで女性を想って
テキパキと動いたのは
初めてでワクワクしている自分に
気がついた慎太郎。
これから桃との生活が
楽しみで仕方がない。
35歳にしてここまで
突っ走っている自分の姿が
あまりに可笑しくて
一人で笑いもこみ上げてきた。