同居ノススメ

桃は自転車で
職場である保育園に着くと

真っ先に
職員室にいた早番の職員に
昨日までの休みのお詫びを入れて

園長室のドアをノックした。

「おはようございます。
園長、昨日までお休み、
ありがとうございました!」

と挨拶をし園長室に入ると

書類整理をしていた園長の
大田 幸子【おおたさちこ】が
桃の方に振り返った。

幸子は、
50代前半のふっくらした
一見どこにでもいる
『おばちゃん』のような容姿で

職員・保護者からも
信頼が厚く、

母親をあまり身近に感じたことがない
桃にとっては、
姉のような母親のような存在でもあり、
プライベートでも
何かと気にかけてくれる1人だ。

「おはよう!
桃先生、もう大丈夫なの?
あんまりムリしないでよ?」

と言い、
仕事の手を止め話を続けた。

「それで・・昨日、話があるって、
メールで来たけど、なにかあった?」

と聞いてくるので

桃は慎太郎との同居の件を
伝えた。

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