T.A.B.O.O~満月のPerfect Crime~
「ジェーナさん来てくれて何か事情があるんだろうなとは思ったけどちゃんと教えてよ…」
『ごめん。』
「アルのバカ!」
『…寂しかったのか?』

突然言われたそのひと言に美羽はクスクスと笑い出してしまった。

『俺変なこと言った?』
「気付かない所が本とバカ。」
『何…お嬢?』

笑い出してしまったおかしさが心につもったまま消える事がなかった。それもその筈。付き合い始めの頃に美羽は和希に全く同じ事を言われた事があったのだ。それを思い出した為か…怒るのもなんだか申し訳ないような、それでいて少し温かくなった心を感じていた。しかしそれは悔しいからか、美羽はピエドラに伝えなかった。
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