君を選んだから
この家族の一員になれたお義姉さんが羨ましい。

「フリ」じゃなく、本物の恋人だったら、ここに参加する気分もきっとまた違うはずだもん。


あぁ、どうすれば、本物の彼女になれるんだろう..........

なれるものなら、本当は私だってそうなりたい。


かと言って、須賀くんにそんなこと聞ける訳がないし、聞いたところで笑われるだけかもしれない。

もちろん、自信も無いし、一瞬の迷いで今までの努力を無駄にしたくもない。


とりあえず、今日は何か爪痕を残せるよう、出来るだけ頑張ろう。

もう二度と、ここへ来ることは無いかもしれないけど。


そうと決めたら、徹底的にやってやろうじゃないですか。

カワイイ彼女を演じ切って、「また来てちょうだい」って言われるくらい。


「お母さん、お手伝いすることありますか?」

「あらぁ、いいのよ。あおいちゃんはお客さんなんだから。」

「いえ、でも、エプロンも持って来たし、何か出来ることがあったら、遠慮なく言って下さい。」

「そう? ありがとう。じゃあ、郁海と一緒に飲み物の用意してくれる?」

「はい。」


まずはこんな感じでいいよね。

わざとらしいっていうレベルじゃないし、多分、現実にお嫁さんになったらこうするだろうから。

よ〜し、お母さんも笑顔を見せてくれたし、この調子で頑張るぞ!!

< 16 / 188 >

この作品をシェア

pagetop