エリートな彼と極上オフィス
私の成長は、先輩に見守ってほしいです。
ちょっとした芽を見つけて褒めてくれる、そんな先輩でこれからもいてほしいです。
「長年勤めてきた方には、かえってわかりづらいかもしれません、でもこの会社は、客観的に見て、素晴らしいポリシーを持っています」
僕はまだ社歴が浅いので、それを正しく感じ取ることができます。
先輩がそう伝えると、聴衆が微笑ましげに頬を緩める。
この回は、先輩の担当のうちでも、最高の出来かもしれない。
「仕事をしていて、本当にこれは正しいのか? 今やるべきなのか? そういう疑問にぶつかった時、立ち返ってほしい先が、このタグラインです」
誰もがぶれずに、すべきことをできるように。
自分のしていることを、間違っていないと信じられるように。
ブランドというのは、そういう一人一人の姿勢とか、想いの積み重ねなのだ。
広告とかである程度は偽装できても、“イメージ”はどこまでいっても、イメージでしかない。
信頼してもらうには、私たちが、信頼されるに値する従業員になるしかないのだ。
IMCが説くのは、そんな当たり前のこと。
その“当たり前”が、大きくて古い企業にはほんとに難しい。
私はそれを、この2年で思い知った。
「2-4制度というのを、知っている?」
「そういえば研修で、説明を受けたような…」
ツー・フォー制度と読み、入社して4年目までは、その部署での勤務が2年未満であれば、本人の希望で異動できるって制度だ。
あまりに希望と違う部署に配属された新人が、いきなり辞めてしまったりしないようにと設けられた制度だったはず。
ですよね、と、隣のコウ先輩に確認すると、首肯が返ってくる。
それがどうしたのだろう、と私は嶋さんを見た。
「この制度はね、本人から人事に直接希望を出すことができ、また人事から本人の上長に通達があった場合、ほぼ反対できないって特徴も持ってるんだ」
「部署自体に問題があることを想定しての制度ですもんね」
上司が横暴だとか、職場が新人を無視するとか、そういう場合の救済措置なんだから、そりゃそうなりますよね。
で? と再び嶋さんを見る。
会議室のひとつに、ちょっと話がある、と呼び出された私と先輩は、話の流れが見えず、首をひねった。
ちょっとした芽を見つけて褒めてくれる、そんな先輩でこれからもいてほしいです。
「長年勤めてきた方には、かえってわかりづらいかもしれません、でもこの会社は、客観的に見て、素晴らしいポリシーを持っています」
僕はまだ社歴が浅いので、それを正しく感じ取ることができます。
先輩がそう伝えると、聴衆が微笑ましげに頬を緩める。
この回は、先輩の担当のうちでも、最高の出来かもしれない。
「仕事をしていて、本当にこれは正しいのか? 今やるべきなのか? そういう疑問にぶつかった時、立ち返ってほしい先が、このタグラインです」
誰もがぶれずに、すべきことをできるように。
自分のしていることを、間違っていないと信じられるように。
ブランドというのは、そういう一人一人の姿勢とか、想いの積み重ねなのだ。
広告とかである程度は偽装できても、“イメージ”はどこまでいっても、イメージでしかない。
信頼してもらうには、私たちが、信頼されるに値する従業員になるしかないのだ。
IMCが説くのは、そんな当たり前のこと。
その“当たり前”が、大きくて古い企業にはほんとに難しい。
私はそれを、この2年で思い知った。
「2-4制度というのを、知っている?」
「そういえば研修で、説明を受けたような…」
ツー・フォー制度と読み、入社して4年目までは、その部署での勤務が2年未満であれば、本人の希望で異動できるって制度だ。
あまりに希望と違う部署に配属された新人が、いきなり辞めてしまったりしないようにと設けられた制度だったはず。
ですよね、と、隣のコウ先輩に確認すると、首肯が返ってくる。
それがどうしたのだろう、と私は嶋さんを見た。
「この制度はね、本人から人事に直接希望を出すことができ、また人事から本人の上長に通達があった場合、ほぼ反対できないって特徴も持ってるんだ」
「部署自体に問題があることを想定しての制度ですもんね」
上司が横暴だとか、職場が新人を無視するとか、そういう場合の救済措置なんだから、そりゃそうなりますよね。
で? と再び嶋さんを見る。
会議室のひとつに、ちょっと話がある、と呼び出された私と先輩は、話の流れが見えず、首をひねった。