エリートな彼と極上オフィス
これってわがままですかね?
私なりに、先輩も楽になれる道を選んだつもりなんですが。
「…理由は特に」
「お前がそんなふうだから、俺が変なこと言っちまうんだ」
「鈍いわ迂闊だわで、あげく人のせいですか」
「誰が鈍くて迂闊だよ」
「先輩ですよ」
しゅっと先輩が、持っていた花火を私に向けるふりをした。
しゃがんだまま飛び退くと、もう一度仕掛けてくる。
「やめてくださいよ」
「お前こそ、やめろ」
内心ぎくっとしながら、何をですか、と訊いた。
想うことそのものを、否定されたらどうしよう。
もう勘弁してくれと言われたら、どうしよう。
けど先輩は、怒ったような声で恥ずかしそうに、俺をからかうのをだ、と言った。
「からかってませんよ」
「嘘つけ」
「ほんとですって、わっ」
「あ!」
しゃがんだまま移動するうち、水道のそばへ来ていた。
しりもちをついて、流しの縁に危なっかしく置いてあったバケツに頭をぶつけた結果、あえなくそれは倒れ。
派手な水音と共に、私は頭から水浸しになった。
あーあー、と笑い声があがる。
「何やってんだ、お前ら」
「決まりだ、山本と湯田、後片づけ」
最初はいなかったはずの室長がいつの間にか参加しており、くわえ煙草で私と先輩を指した。
はい、と条件反射で返事をしてから、先輩と顔を見合わせる。
先輩は私を助けようとしたのか、地面に両膝をつき、片手を中途半端にこちらに差し出していた。
その時、パシュッと破裂音がして、花火が上がった。
こんなに立派なものがお店で買えるのかと驚くほど、それらしい真ん丸の花が、頭上高くで開く。
私なりに、先輩も楽になれる道を選んだつもりなんですが。
「…理由は特に」
「お前がそんなふうだから、俺が変なこと言っちまうんだ」
「鈍いわ迂闊だわで、あげく人のせいですか」
「誰が鈍くて迂闊だよ」
「先輩ですよ」
しゅっと先輩が、持っていた花火を私に向けるふりをした。
しゃがんだまま飛び退くと、もう一度仕掛けてくる。
「やめてくださいよ」
「お前こそ、やめろ」
内心ぎくっとしながら、何をですか、と訊いた。
想うことそのものを、否定されたらどうしよう。
もう勘弁してくれと言われたら、どうしよう。
けど先輩は、怒ったような声で恥ずかしそうに、俺をからかうのをだ、と言った。
「からかってませんよ」
「嘘つけ」
「ほんとですって、わっ」
「あ!」
しゃがんだまま移動するうち、水道のそばへ来ていた。
しりもちをついて、流しの縁に危なっかしく置いてあったバケツに頭をぶつけた結果、あえなくそれは倒れ。
派手な水音と共に、私は頭から水浸しになった。
あーあー、と笑い声があがる。
「何やってんだ、お前ら」
「決まりだ、山本と湯田、後片づけ」
最初はいなかったはずの室長がいつの間にか参加しており、くわえ煙草で私と先輩を指した。
はい、と条件反射で返事をしてから、先輩と顔を見合わせる。
先輩は私を助けようとしたのか、地面に両膝をつき、片手を中途半端にこちらに差し出していた。
その時、パシュッと破裂音がして、花火が上がった。
こんなに立派なものがお店で買えるのかと驚くほど、それらしい真ん丸の花が、頭上高くで開く。