クールな同期が私だけに見せる顔
1人になって、ベッドに横たわり、咲良との会話を思い出す。
『省吾に期待するのは危険だと思うけど』
危険かあ。
咲良のいいたいことは、よくわかってるつもりだ。
よく考えて……
咲良から言われなくたって、
十分考えてるよ。
考えたってどうしようもないのが問題だ。
理性でダメだって分かっているのに、省吾の顔を見たらみんな忘れてしまうんだもの。
省吾のそばにいて、考えない日はない。
いつも、自分が横にいていいのだろうかって。
彼は、本気で私でいいって思ってるのだろうかって。
大丈夫、私にだって十分に資格はある。
そう思えた時もあったけれど、
今回、彼は壁を作って、私を追い出そうとした。
省吾は、私を拒絶し、一部だとしても、
受け入れない部分が出てきてしまった。
そうなると、形勢は逆転して、自信なんてどこかに行ってしまって、やっぱり、咲良が正しいと思えてくる。
咲良の言い分は、もっともだった。彼女の方が正しい。
省吾はもとから、結婚願望がないし。
結婚して欲しいなんて迫られたら、気っと逃げ出すに決まってる。
省吾が私に対して壁を作ったってことは、そろそろ私の存在も重くなって来たのかも知れない。
しつこくされると嫌われるのは分かってるから。
そうならないように、私の方から彼に対して負担をかけないようにしてた。
省吾に、私から何かお願いするとか。
わがままを言うとか。省吾に対して甘えるという行為ができないのもそのせいだ。